肌にほど近い 不思議な距離に? いつも背中に温もりを感じている。それは
指の形をしていたり 掌のような柔らかさで、踏み出せずいるオジさんの背中をポンと
軽やかに弾みをつけ 押してくれたりもするのである。たぶん?特別なものだろうが
当たり前のように其処に在り、いつだって傍らにいるのだ … 約束したようにね。
悪しき不摂生 のせいで、短い入院生活を経験する。間質性肺炎を増悪させた
らしい?… 高校以来の悪癖、喫煙(チェーンスモーキング)もこの辺が潮時の様子。
三十歳で始めた二十年余の看板屋時代の作業環境もあるし、まあ、ヤバかろうという
部分は自覚してはいたのですけれどね、自業自得、ある意味「警鐘」ですな、冷汗。
我が家に 戻ってからの、消耗した体力のリハビリテーションは?…というと?
除雪機の点検を兼ねた雪かきや薪運びや、小次郎ママと手軽な作業を進めること。
ここ置杵牛地区の、どこにでもある里家の空気や風景はコロナ蔓延中の街中よりも
ずっと質素で清々しい。なにより深呼吸する空気が、冷気が… 新鮮で美味い、笑。
二人と一匹 の夢見た 共に過ごす 穏やかで長閑な季節。年齢を重ねることは
引き算だから 足りなくなってしまうものも出て来るのだが… それも「老い」の時代。
あいつが空へ遊びに逝ってしまったっきり、もう逢えなくなってしまったのだけれど
あいつの人間より2℃程高い体温、あの温もりの感覚はいつも傍らにある。必要とし
合い、求め合った熱量だけ… 寂しさも愁しみも愛しさも悦びも消えることはないのだ。
ほら、たった今だって 女神の指先がオジさんの背を撫でていった様子? 笑。
ほら、たった今 ポテッと 柔らかな肉球? あいつが背中を押していった? 笑。
単純に? そう単純に思い込んでしまえばいい。重ね合った情緒の数だけ 彩りは
滋味を増し、抑制された陰影は深く織り込まれていくものだと。今迄は誰かのために
出来るだけのことをして来たつもり。これからは女神のためだけに 自分自身を気遣う
つもり。志半ばにして散る美学? それは要らない、笑。 やっぱり完成に近づていく
その形象は見てみたいものでしょ?… 欲まみれ? そう!それが… オジさん、笑。
~ 2022年2月5日、空気が景色がご飯が… ここでの時間が美味い、笑。