美瑛の里から "徒然便り"

旧農家住宅のリフォームから始まる…美瑛町への移住日記です ♪

うっとりする様な風景? 素敵な丘よりも田畑の里へ

十勝連峰を一望する…そんな場所は田畑か、既に農家の方達や

移住した皆様が住んでいらっしゃいます。離農されたり、新たに家を

建て替えたりされた後の旧住宅は たいてい物置か廃屋として朽ち始めています。

何処の地域でも同じですが、町の中には空き物件は結構あります…けれど

町の中なら、わざわざ美瑛町まで来る意味がない。やっぱり此処ならでは!

みたいな場所はないかな…と、探すのですが。

 

丘の上の冬の季節 は想像以上に厳しいものがあるんだろうなと思います。

北瑛地区の貸していただいた町営住宅は丘の上。平地の置杵牛の現地に通うには

ケンとメリーの樹の見える丘の路を十勝連峰を見渡しながら向かいます。

 

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ケンとメリーの樹

それは…とても気持ちの良い路なのですが、冬は冬でやっぱり素敵なのですが

吹雪くと状況は一変します。ホワイトアウトで地元の方でさえ吹き溜まりに

車を突っ込んだりしてしまいます。時々の町への用事も天候次第。

 

丘の上で十勝連峰を独り占めする本州から移住した方は笑って話してくださいますが、

私有地から町道への斜面の除雪に最低二日以上かかってしまう…私達には無理です。

丘の上の景観より平地へ、そんな訳で、町から離れた里家を探すことにしたのです。

南に面していること、基礎をいじらなくても充分リフォーム可能な空家探しです。

そして出来れば…十勝連峰の中のひと山でも見えればいいのにな~と。

 

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置杵牛 下精美地区

置杵牛川にかかる二本目の橋からの長い直線の町道…一番最初の左側の家が我が家。

右奥に見える山が十勝連峰の北端に位置する オプタテシケ山(2,013m)

アイヌ語で「槍がそこに反り返っている山」…といった意味の様です。山頂の

中央部が尖がっています。それでは 置杵牛(オキキネウシ)は…どんな意味?

川尻にガマやハンノキや…要するに植物が群生するところ、といった意味らしい。

 

256坪の敷地の旧農家住宅(昭和54年築)十数年間、非居住。

周りは前後が他の酪農家さんの牧草地と隣の農家さんの田畑だけというシンプルさ。

南向きに面し、台所・お風呂等除き一階三室、二階三室の木造モルタル建築。

一階旧台所下には頭はぶつかりますが…貯蔵庫にでもなりそうな6畳程の地下室が。

トイレは汲み取り、水は井戸…ただし赤水(鉄分の多い水)で現在も飲用不可。

 

もちろん街中のような 下水道は完備していませんから

浄化槽の設置(町奨励)上水道町道から新たに引かねばなりません。

それがネックとなって、空き家バンクでもなかなか売れなかった要因でした。

家土地よりも費用がかかってしまいますから。後で判ったことですが

ここ下精美地区は丘が邪魔して地デジ電波の弱電界地域でした、涙。

結局、地デジは諦めて…光回線と光テレビを設置契約することになります。

 

充分リフォームに耐えられる 基礎部分や建物である点、

町道からすぐ、光回線も走っている、上流には廃校なれど小学校もあった

上精美地区という簡易郵便局も現在まだ残っている村落がある点や

冬期間の除雪がしっかりしている点など鑑みて、尚かつ、適度な片田舎感

周りに家がないことから…畑を作り直さねばなりませんが 此処に決まりました。

 

地消地産…でもないですが、リフォームに関する業者さんは地元でと

話し合って決めていました。いづれ野菜も米も牛乳も…この地域のものでと。

そんな訳で浄化槽及び上水道の給排水工事も、建築材料やアドバイスをいただく

大工さんも、新たな電気工事も、薪ストーブとペアガラスを除く一切を

地元の業者さんに依頼することになりました…此処に住むんですからね。

新たな土地・人・季節のサイクルに馴染むというか…ここが大事ですよね。

 

土地・建物の売買 は個人売買です。函館の友人の不動産屋さんに相談し

書類等自分達で作成…特に売り主のお母さんに不安のないように気を使いました。

御二人の息子さん御夫婦共にお会いしたり、同席していただいたり

相互に納得のいくように、相互に予想外のトラブルなど起こらないようにと。

無事、登記も済み…手付金を差し引いた残額をお支払いして、皆様に

夕食まで御馳走になりつつ譲渡は終了したのでした、ありがとうございます。

 

さて、いよいよ内部解体です! 各室の壁や床や天井や全て…

黙々と埃だらけでの解体作業が 2018年11月から雪の季節に向かって始まりました。

写真は 2019年5月のもの…ですから、美瑛での初めての2018年の厳寒の冬

断熱材も壁も全て取り外されていく、スッポンポンの骨だけ状態突入というわけ。

寒かったですね~、笑うしかないくらい…まるで修行僧の苦行の如き状態、笑。

 

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玄関方向 旧和室&居間

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裏口方向 旧和室・風呂・居間

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二階 階段仮設付け替え

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二階 三室の中の角一部屋

2019年の初春には 美瑛の大工さんを紹介してもらうことになりますが…

現場を見に来ていただくやいなや…ここの柱、どうした? そこは? 

その柱も取り外したい? いやちょっと待て! 今はこれ以上絶対に抜くな!

それから即、資材屋さんに電話、翌日には補強作業にかかってくださいました。

くれぐれも素人は勝手に柱等抜いてはいけませぬ、プロのアドバイス必須ですね、笑。

 

こうして、これから作り直していく材料の発注や足場や道具をお借りしたりと、

大工さん曰く…兎に角、自分でやってみたいんだな~、まったく、無謀だな…等々

苦笑されつつ お付き合いは続いて行くことになります。メデタシ・メデタシ ♪

 

初めての冬を越して春…やっと、この状態ですから進捗状況は推して知るべし、汗。

B&Bは 2019年の夏をもって終了となりますから、GWや夏季等、函館に戻りつつ

函館から荷物や必要な僅かばかりの道具など運びながらの2019年も着々と過ぎ?

2020年…二年目の今年の冬は?少しづつ暖かくなっていくはずなんですが…ね、笑。

 

 

 ~ 2020年1月16日、  2019年5月の写真から、美瑛での初めての冬を越した頃