自然には縁遠い … まったくの 街っ子 だった
オジさんの自然観が変わったのは fishing…いわゆる釣りを覚えたお蔭でした。
前妻の実家が釣具店だったことから教えてもらった渓流釣りの遊びが出発点。
スケッチブックと絵筆を釣り竿に変えて…休日の殆ど全てを山の中で、笑。
実のところ、蛇や鼠や虫が苦手だったり、まったく軟弱なヘボ釣り師でしたけれど。
去年の秋口のこと、ここ置杵牛の町道を自転車に乗った男の子が三人、
高校生?中学生?ヒップウェーダーを履いているので、すぐに渓流釣りと判ります。
思わず仕事の手を止めて声をかけます…お~い、釣りに行くんか?
大きな声で…そうで~す ♪ 釣れたら見せてくれ~ ♪ は~い ♪
釣れました~ ♪ 小一時間も経たないうちに大きな声が…急いで駆け寄って
魚篭の中を見せてもらうと、小さいなれど 岩魚・山女魚・虹鱒が入っていました。
居るんだな~と思わずオジさんが呟くと…オジさんの家の裏でも釣れましたよ~…と。
一応、ヘボなれど毛鉤釣り師のオジさんには リリースサイズなれど(ホントか?)
木っ端大工に時間的な余裕ができて来たなら…楽しみが また ひとつ 増えました。
色々な野生が 此処には…実に身近に たっぷりと 息づいています。
田んぼの雪が溶け始めると 越冬を終えて北へ戻る白鳥が翼を休めていたり、
アオサギが目の前の林を背に ゆったりと上流に向かって低空飛行を見せてくれたり、
アカゲラが虫を探してか?壁に立てかけてある 和室から外した古畳を突いていたり、
玄関先でキュウキュウと声がするので行ってみると 愛くるしい眼をした狸だったり、
旺盛な繁殖力のアライグマが目の前の町道を悠々と我が物顔で歩いていたり、
見事な角を身に着けたエゾシカが牧草地で草を食んでいたり、駆けていったり、
キタキツネが野鼠狩りの瞬間をどこかで観た映像みたいに目の前で見せてくれたり。
山のドングリが不作だった 一昨年は羆クンも姿を見せた様子ですし、
隣の農家さんが仰るには…一昨年は アライグマが八頭、農地の罠に入ったとか。
美瑛町でも外来種のアライグマの急増には手を焼いていて 罠を貸し出しています。
昨年は一頭だけ…その代わり狸が交代でやって来て。あいつら縄張りの中、
ウンコだらけにしてしまう習性があるから、まいっちゃうんだよな~とか。
そう言えば…我が家への入り口に何やら毛皮の塊? 狸のウンチ中の後ろ姿、笑。
今年の冬は? キタキツネが家の周りに、野鼠狩りに足繁く通ってきます。
生まれて初めて、例の頭からジャンプして野鼠を捕る…その様子を目の前で。
カメラを取りにいくのも忘れ、その瞬間を固唾をのんで見詰めてしまいました。
格好良かったですね…見事です ♪ その後も、庭の別の場所でも見せてくれました。
この頃は 世代交代? たぶん最初のやつは親狐?…と、勝手に推測しているのですが
巣立ち&自立 始めました ♪…みたいな、ひと回り小さなキタキツネがやって来ます。
数日前の昼頃には、陽の当たる軒下でキツネ団子になって居眠りなんぞしていたり。
狩りはまだ下手糞そうですから、見事なジャンプはまだ見せてくれてはいません。
人間が怖いというか、関わるなというか? そんな学習は為されていない様子、笑。
その時々に 各々が微妙にテリトリーを譲り合っているかの様に過ごしてる?
そんな印象さえ受けるくらい、入れ替わり立ち代わり、彼らなりに生きています。
あたり前に…野鳥や狸や野生動物達が姿を見せてくれる不思議…というか、愉快。
やがて雪が溶け、草花が芽生え、農家の方達も忙しくなり始めると
蛙達も大合唱を始め、動物達は草藪や森の緑に隠れたり 不意に姿を現したり
稲が育ち、野菜が実り、庭が彩りを増し…我々、人間の思惑や事件や失敗や
鈍感を横目に、同じリズムで巡り来る 季節を生きるもの達のために与える
寛容さと豊潤さを自然は持っていて、生き死にも含め…過酷さも平等で。
自然っ子? 自然の中に息づいている 変わらぬリズム、鼓動を知ってる
そんな自然っ子だからこそ持っている世界観って在るんだと理解できる
手っ取り早い方法…それが、たぶん " 田舎暮らし " 。遊び道具や畑仕事の道具も
自分の手で作り出すのが まずはすべての始めだった…その人の手で作り出す世界、
そんな? そう!… 目指せ、自給自足的生活、笑。 大袈裟じゃなく
確かに、農家の皆さんは 自分で薪小屋や物置を建てたり、古材で家を建てたり
そんな方達が少なからず、否、殆どの方達が そんな風に 日々生活して来られた。
自然に沿った暮らしには そんな創意と工夫がいつも必要だったんじゃないかな…と。
お財布 握りしめて買い物に行くんじゃなくて、足許に、まず…種を撒いてみる。
不格好でも工夫して自分らしさを創ってみる…なんてクリエイティブな世界だろ ♪
出来上がっているものじゃなくて、自分が作れるものと向かい合う世界。
自分を褒めてあげたり、反省したり、励ましたり、自分を発見する世界…だから?
書を捨て街に出よう…じゃなかった 街を捨て田舎へ行こう、より自然の近くへ!
移住の勧め? そうかも…いちばん自然な自分らしい呼吸のできる世界へ。
若かりし頃の様に必要なものも多くは要らなくなってしまった年代の私達は
好きなものに囲まれて、この手で作れるもので何とか工夫して暮らす世界。
若い人達は 若々しい憧れを臆せず話せる世界へ…憧れを夢へと膨らませ
そして夢を現実に…己の知力と体力と行動力の進化と 変わらぬ純情とを信じて ♪
思いもかけぬ災害も珍しくない、何が起きても不思議じゃない時代。
確約された明日など…あまり良く見通せないし、やっぱり自己責任な世界が
これからも続いていくというのなら、個々の人間力・対応力を磨くのみ?
老いを加速する私達は? 過剰な消費を抑えた質素で謙虚で上手に枯れた世界へ。
自分らしくなんて青臭い…なんて言われても、自分が楽で、何より楽しいように。
移住の勧め? 田舎暮らしの勧め?
そうそう!…人間以外の営みにこそ、自然の営みにこそ 学ぶべきかも?
オジさん達の移住計画に刺激された?本州から隣町の東川町へやって来た
嬉しい、若き移住仲間も出来たことですし…おいでよ 田舎へ ♪ 北海道へも ♪
あたり前に…野鳥や狸や野生動物達に出会うという、愉快?…そう!
そして、自分自身をも含め…人間に出会おうと試みる生活…その 愉快 ♪
~2020年1月20日 雪の降りしきる…ちと寒さにめげそうな午後