美瑛の里から "徒然便り"

旧農家住宅のリフォームから始まる…美瑛町への移住日記です ♪

快適な田舎暮らしに…土場&アトリエが必要な理由

Cabin Fire キャビン・ファイア…何処かの洒落たロッジの名前みたいな?

昔々、毛鉤釣りに熱中していたと以前に少しだけ書いたことがありましたが

アラスカやカナダ辺りの大自然の中で 大きなサーモンやスチールヘッド等々

釣ってみたいもんだと釣り雑誌を読み耽っていた頃、エッセイの中に見付けた言葉。

ロマンティックな意味合いじゃなく…雪に閉ざされる季節になると自殺者が増える

との 統計結果から、そんな 悩ましい現象に名付けられた言葉でした。

 

一年の半分近くも雪に閉ざされる そんな地域では経済活動も

日々の生活も狭められた空間の中での冬籠り的な単調なリズムに陥りがちです。

プライベートな出来事や種々の問題で鬱々と落ち込みがちな孤独な日々を続け?

そんな状態で…ある時、突然に 発火する…想像するに難くない言葉です。

 

雪さえ溶け始めると…周りの農家さん達も にわかに 忙しそうに動き始めます。

蟻とキリギリスの…蟻さん状態が 収穫を終え 冬支度を終えるまで続きます。

オジさん達も薪の準備や保存食作りや大工仕事や畑や庭造りで…たぶん あっと言う間。

やがて雪が降り始め、さて、厭でも…キリギリスさん状態に衣装替えすることに。

 

土場&アトリエが欲しい?函館山の坂道育ち、子供の頃なら

スキーや橇滑りなどと 日がな一日  雪まみれで遊び転げてた記憶はあるのですが、

自分の棺桶の形がボチボチ気になり始めた年代ともなりますと…そうもいきません。

創意工夫で、雪の季節の田舎暮らしに自分達流の彩りを添えていきたいとなると

例えば、オジさんが自己満足満載の Blog なんぞ こうして書き始めたように

自分を表現する、生活の場の身近に…なんらかの自由な空間が必要になります。

まだ、我が家も完成していないのに…トボケタ話ではあるのですが、笑。

 

個展を開いてみたい …今から、18年位も前だったでしょうか?

二十代の頃に覚えた銅版画の、個展のようなものをやってみたい…ただ 漠然と

憧れていただけだったのですが、当時、看板の仕事の今後に逡巡していた頃でもあり

落ち込み気味だった自分の起爆剤に? 持ち直すきっかけにと…思い立ちました。

 

どちらも 今はもう在りませんが、市内で一番安かった " ギャラリー KIBA " で一週間。

よく食事に行っていた 家庭料理の店 " つたや " のママさんの御厚意に甘え、無料で

二週間少々。二度、開催予定を日延べして貰って…三度目にやっと開催にこぎつけて。

二十代の頃のものと新たに創ったものと…計20点程を自作の額縁に入れて。

 

期間中、100名少々の方々に観ていただけて…欲しいと言ってくださる方まで現れ、

何点か、計21枚が自作の額と共に旅立っていきました。銅板やレダン紙やインク

自作の額用の材料費等と お店での飲食費やギャラリー代等を お蔭様で賄えたこと

そして何より、澱んだ水の中でもがく…弱った小魚を掬い上げていただいた想いで

感謝感激の限り…本当に、かけがえのない経験をさせていただきました。

 

銅版画は刷り上げないことには観ていただけるものが揃わないので、後日?

落ち着いたら刷り上げて…臆面もなく Blog で観ていただくんでしょうけれど

それは、これからの楽しみに? 笑。…で、今回は透明水彩で描いた銅版画のための

イメージから拡げた習作っぽい2点と、版画展のコピー画像を見付けたので1点

やはり臆面もなく?… ハハハ、どうか 観てやってくださいまし、笑。

 

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銅版画のためのイメージ 潮風の休息

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当時の版画展のコピー画像 ブリキの兵士が街を行く

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銅版画のためのイメージ 降り積もる時刻の中で

 臆することなく自分を表現できる世界へ…それが その後

オジさんの大命題となっていくのでありますが、その世界が 前述の Cabin Fire の

防護壁にもなるんじゃない?…とも思ったり。昔々観た ブラッド・ピット出演

映画" バベル " じゃないですが、悲しいかな 人間は各々の日常言語でしか 思考も

意思伝達も叶わず、その文法的相違や宗教や慣習の相違も思考回路の働き方に

関わってきたりもして…更に 環境で 個人や社会的ルールも千差万別に形成され、

理解し合えているか否かを問わず…個人も世界も 目まぐるしく動き続けるばかり。

 

充分に理解し合うためには、更に 充分過ぎる程のコミュニケーションが必要で

その過程の中に 自由に自己表現できる世界への扉の鍵が在るんじゃないかな?…と。

民主的…っていう言葉と理念の入り口も そこに在るんじゃないかと思うのですが、

それはさて置き…観念的に理解してはいるつもりでも、人間も野生動物達と等しく

環境に左右される 所詮 " 生き物 " ですから、縛り 縛られたりしている事象から

少しづつ解き放たれていける…そのための環境作り、そこが出発点なんだろうと。

 

ブラッド・ピットのファンじゃないですけれど…リバー・ランズ・スルー・イット

毛鉤釣り師だったオジさんの…結構、好きな映画のひとつでしたね。余談でした、笑。

 

田舎の小さなゲストハウスを飾るための?

二階に2室だけの…ちょっと街から抜け出したい気分の旅人達のための

里家を彩るためのステンドグラス造りに、月二回の教室に通い始めたオーナーも

阿保けた自己満足遊びしてるオジさんも…共に 自由に 楽しみ過ごせる空間として?

それに、これから少しづつ増えるであろう庭や畑造りのための道具類や苗類の過ごす、

各々の手で作り出すもの達を育み結実させる空間として…どうしても必要な環境。

 

経済ばかりが優先され、人や自然を顧みる余裕もなく過ごしてきた都会や街を

せっかく離れる機会が出来たんですから…収穫した食べ物や自然の中で生きる術など

おおらかに交換し合って過ごせる、街のようにはいかない 無いものだらけだけれど

忙しくも 豊かな 季節の傍らで、穏やかな時間の心地良さと共に過ごせるはずの

田舎ならではの空間作り…と、まったくの街っ子のオジさんが まるで新興宗教

お題目みたいに唱え、夢見たとしても…そんなに不思議なことではないでしょう?

 

さほど時間も残されてはいないのでしょうが…夢は夢のまま、訪れる 明日のままに

風の音や小川の瀬音を聴くように…各々の発する意味に耳を澄まし、巡る季節の中で

いつも 少しだけ遠くを見詰めて歩いていられるように 日々を過ごしていけたら。

臆することなく自分を表現して良い世界で…自由に各々を膨らませて過ごせるように。

 

それが 快適な田舎暮らしに土場&アトリエが必要 という理由。

えっ?… おい!木っ端大工! 急げ ⁉…そう来ますよね~、笑。了解いたしました!

 

P.S. 函館から写メで届いた…オーナーの記念すべきステンドグラス初作品の画像 ♪

教室の生徒さん達も不要と捨てられた ちいさな硝子達を 了解をいただいて集めた故、

初心者の自宅での初作品としては 小品となり…幅20センチ程度、教室にある練習用の

課題作は50センチ位と言うから 苦労も偲ばれますが…上出来! これからが 楽しみ ♪

横の野菜ジュースの缶と比較して 大きさと苦労を…想像してみてくださいな、笑。

 

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初作品 ゴミ箱から翔びだした ちいさな煌めき達…なんてね、笑



 ~ 2020年2月2日      ひとり娘の誕生月…命あることに感謝を込めて