美瑛の里から "徒然便り"

旧農家住宅のリフォームから始まる…美瑛町への移住日記です ♪

ポエムな ひと時?

ポエムな ひと時? 時々は恥ずかしげもなく? 古い詩のようなもの達を

曝けだしてみようと考えています… というのも、趣味的なオジさんの絵の類の殆どが

そういったメモのような、幾つかの言葉の群れからイメージが膨らんでいるからです。

現世の喜怒哀楽の中で発せられたそれ等は自分自身の "物語" でもありますしね、笑。

 

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数日は雨の予報…仮薪小屋へ薪の運び込み。すべき仕事で終わる日曜日です、笑。

美瑛への移住話が持ちあがった時 "絵本" が創れるかも知れない…そう感じました。

語ってしまうからには実行しなければなりませんから、出来るかどうかを試す時と。

暗い憂鬱なものが多いのですが、短めな、極力明るめなものを載せたつもりです、笑。

たいてい誰か著名な詩人の猿真似みたいな調子なのですが、それも ご愛敬かなと、笑。

初回の ( またやるの?) 今回は二十代の頃のものを…どうぞ ご覚悟を、 笑。

 

窓硝子に優しい絵なんぞを

柔らかな筆使いで描きたいと想うなら

部屋の内側に丹念に描けよ

 

穏やかな心で過ごせた午後に

森のように伸びやかな清閑な緑で

ピンと張りつめた水平線の青で

部屋の内側に丹念に描けよ

 

無神経な落書きは戸外にあるよ

哀しい現実主義者の一群が

時々刑事のように電信柱の陰から

風変わりなきみの心を覗こうとするが

どうせそのうち消えちまう

 

たいした人格も持てやしない

無神経な落書きに意を労するな

パレットの中心に絵の具を置いて

今は湧き出る水を待つがいい

 

窓硝子にやさしい絵なんぞを

柔らかな筆使いで描きたいと願うなら

きっとあなたは描けるのだから

部屋の内側に丹念に描けよ

 

~1973、東京 描くなら

 

せっかく都会に暮らしていても 画学生でもなし敷居も高く、画材店には入ることが

出来ず…大きめな文房具店で数本の面相筆と絵の具皿などを。結局、赤と黒ポスター

カラーで奇妙奇天烈なイラスト擬きを描いていました。萩原朔太郎"月に吠える" の

中のペン画を描いた田中恭吉は、"ユリイカ" か何かの雑誌の中で出逢いました。

 

designroomrune.com

木版画家の谷中安規なんかも面白いと感じたりしましたっけ…どうでしょうか? 笑。

風景を描いてみても自画像を描いてみても、人並程度で少しも面白くない絵でしたから

なにか自分ならではのもの、自分らしさが欲しかったんでしょうね、オジさんなりに。

 

www.artlogue.org

金子光晴を読み始めた辺り頃から 暗い絵が壁に貼られることがなくなります、笑。

別に詩人になりたい訳でもなく、言葉と版画にしろ挿絵にしろ、双方が響き合い醸し

出される世界を面白く感じていたようです。絵本といっても子供達のためのそれでは

なく、妙な言い回しですが 大人のための絵本 … とでも言いましょうか?

 

絵本 銅版画を刷り上げた後に、着彩して原画に仕上げたいと構想しています。

札幌へ娘を送る途中、小樽の銅版画家 故森ヒロコさんの "森ヒロコ・スタシス美術館"

初めて立ち寄ったことがあります。幸いなことに御本人がおられ、作品を鑑賞後に

短い時間ですが話せた際、眼が弱くなり緻密な版の製作が酷く難しくなってきたこと、

それで描き始めた水彩画など見せていただり、腐蝕室や道具類など見せていただり。

 

銅版画は知っての通り修正は殆ど困難に近いし、一枚刷り上げるまで とても時間と

工程が必要でしょ。難しさは同じでも 水彩だと時間を短縮できるから、創りたい形象

確かめながら すぐ次へ進める。ただただ 創りたいのね … 無造作に広げた何枚もの

水彩画を見せながら、そう話してくださったのを懐かしく思い出しています。

 

昔々 銅版画を覚えたての頃、ギシギシと木製の床の軋む、新鋭の作家さん達にとって

登竜門的ギャラリーだった 当時の "時計台ギャラリー" の 森ヒロコさんの個展で、

二点の作品を購入しました。その頃は ろくに話もできない有様でしたのに、あれから

時も経ち、娘に急かされなければ…ずっと話していたかった。まさにオジさん化、笑。

 

nekonojimusyo.blog.fc2.com

いつか絵本を創ってみたいんですよね … あの時、プロを前に厚顔にも話したこと

覚えています。もちろん "夢" みたいなものなんですが…と。想い続けてさえいたなら

叶うかもねと微笑み合ったのを思い出します。夢は 語ってこそ "夢” になるんですね。

 

そんな訳で公言することにしたのです。自信? もちろん自信などありません、笑。

ショボイ眼と心で挑戦してみるだけ…ってやつ、一冊でも出来たら嬉しいですものね。

本当のところ 題名だけ決まってるものも含め… 三冊分の努力と寿命が要ります、笑。

 

夕焼けの海を越えて

風が夜を運んできます

翔び交う鴎達が

翼いっぱいに吸い込んだ光も

今はひとつづつ

風に零れて

逝くのが見えます

 

朝からずっと此処で

今日は彼岸の

街の灯を眺め待つだけ

 

日暮れの岸壁では小舟達が

一日の喜怒哀楽を

そっと海に流すので

それ等のちいさな

細波のために

港は、時々

煌々と優しく寂しいのです

 

~1976年、港にて

 

最後にもう一編 おまけ付きでした、笑。二人と一匹の美瑛暮らしも板について来て、

少し余裕が出来てきたら 張りっ放しの画紙に港っぽい一枚を描いてみようと思います。

何ケ月先のことか?出来上がったら ブログに載せます、笑。いつか、もう一回だけ

いいから個展を開けたら嬉しいですね。"自己満足な絵本原画展"  ってやつを、笑。

勝手に夢見なさいってやつですね、笑。それでは オヤスミなさい… 良い夢を。

 

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土曜日の夜はシンナー遊び…一回目のリビング塗装。昨夜も就寝前に… 二度目の、笑。

 

~2020年11月2日、雨模様の週明けの夜に