綿帽子みたいな、春めいた雪の降る日が多くなって来ました。街や世界の動向が
どんなであれ、ここでは時は穏やかに刻まれ、一日は静かに過ぎていきます。美瑛町
の防災無線からは 28名の感染報告と予防徹底の要請、なんだか田舎も雲行きが怪しく?
それ以外は…小さな集落でも人の数なり楽しき個性もあり、おおらかな日々、笑。
玄関前の 緩んだ雪に残る足跡。内部の様子を窺がってから家の周辺へと向かう
そのモタモタ感から察するに、隣の S さん家のエゾダヌキらしい? 鼠の痕跡を探る
素振りを見せもするが、残念、キタキツネほどの緊張感は足跡から感じられない、笑。
狩りの技を持たない狸は、足繫くテリトリーを巡回することで、環境との接点を重ね、
その変化と同期しながら関係性を保ち続ける習慣というか努力?行動パターンにより、
偶然というべきか? 必然性をもってといえるのか?食餌と遭遇する機会を得るらしい。
厳しい自然環境の中で共存するに肝要な、狸流の作法なのかも知れない。
オンライン の普及は意思伝達の作法を微妙に変えるだろうか? 非対面の日常は
幾つかの接点を奪い、言葉と思惑とのズレも気付けず、真偽も知れぬ数多の情報と共に
人ならではの過ちを内包したまま、仮想空間で膨張し拡散し続けるのだろうか? 思う程
人は賢くもなく、忘れっぽく、学習もしない … ただ器用にものを作ってみただけ?
この手指の触れる感覚が創造へと繋がっていて人たらしめるなら、人は共鳴し合える、
見詰め合い触れ合える、距離感を失ってはいけないのかも知れない。リスク含みなれど
その近さは、群れを形成して成立する人流の、欠くべからざる作法なのかも知れない。
アクリル板 が隔てる其処と此処に差異はなく、感染収束も見えず、キナ臭い火煙
の繰り返す歴史に学ぶでもなく、政治も経済も迷走すれども世界が変わる様子もなく、
仮想と現実の境界は曖昧なまま。バーチャルな生命など存在せず、日常の風景のすぐ傍
らでは変わることなく、リアルなやり取りは続いている… 各々の培った流儀作法で。
田舎へ おいで?なんて気楽には言えない。充分なスキルを持たぬ限り、安心して
子育てが出来るような生活設計は簡単じゃない。地方再生に時間と根気は必須事項で、
しっかりした基本理念が未来への可能性を持っている 若い発想や活力を支えるのに、
肝心の受入れる側、サポートできる側のオジさん達はというと? 延々と繰り返される
モニターの向こうの世界に気を取られ、全くもって気もそぞろ、汗。
数日前の 見事な青空 ♪ いただいた大根や白菜を埋めた自然貯蔵庫、雪山も随分
小さくなり、その役目を終えようとしています。来週末になると、小次郎ママはトマト
農家 O さんの苗作りのお手伝いに、ひと足早く春を感じに出かけます。
大事にしたいのは? 何処にでもある、こんなありふれた風景と日常の営み。鈍感で
独善的で保守的な?オジさん達に欲しいものは? 信頼を築く努力を厭わない、愚鈍な
くらいの一途さ?不器用さ?田舎臭さ?まるで?… そう、狸クンみたいな、笑。
~ 2022年3月20日、もう十一年経ったんだ… 忘れまじ、合掌。